41歳女性。現在は会社員。これまでの転職歴は複数回。20代半ばから、小売販売の会社で臨時社員として10年間勤務するも、正社員にもなれずに転職。現在は別な会社で縁あって正社員として勤務。映画と音楽が趣味。
うざい社長の息子の強烈エピソード1.周囲への気遣いゼロ
私が勤めた会社の社長の息子は、すえっ子だったこともあり、父親である社長にたいそう可愛がられて育ったのです。
そのせいか、世間とは少し…いえ、かなりずれた感覚の持ち主でした。
そんな彼が「臨時社員」として雇用されたのは秋の終わり。
大学卒業後に就職活動をせず、「のんびりしていたら秋になっていた」と本人から聞きました。
当時、私は臨時社員。
年齢は違いましたが、彼と同じ待遇です。
「若いのに臨時社員での入社なのか」と思った記憶があります。
その会社では、臨時社員から正社員への登用制度は存在しませんでした。
しかし、翌年の春には、ひっそりと彼だけが正社員へジョブチェンジ。
それを隠すこともなく、周囲の臨時社員やアルバイトに「正社員になったんだー、うらやましいでしょ」と自慢。
社長の息子とはいえ、大手のグループ企業だったので縁故採用自体が異例でしたが、まさかルールも無視の正社員登用がおこるとは夢にも思いませんでした。
しかも、周囲には10年選手の臨時社員がごろごろしているのに、そういった人にまで自慢しているのです。
もちろん私もしっかり自慢されました。
「もう少し気遣いがあってもよかったのでは」と思いますし、「最初から新入社員として入社させてもよかったのではないか」と思うのです。
そうすれば、少なくとも自慢された周囲の人間が落ち込むようなことはなかったに違いありません。
もちろん私も非常に落ち込みました。
うざい社長の息子の強烈エピソード2.無断遅刻無断欠勤の常習
正社員に登用されるくらいだから仕事熱心で成績もいい、それなら周囲も納得したでしょう。
彼の職種は「営業」でした。
社内では、もっともはなやかな職種でしたが、実績にたいしてはかなりシビアだったんです、彼が入社するまでは。
社内でナンバー1の実績をだせとまではいいませんが、それなりの実績をだしてしまえば、営業は優遇され、大事にされる会社でした。
しかし、正社員登用の時点で彼の実績はゼロ。
ゼロ記録はどんどん更新され、いつになっても彼の実績があがることはありませんでした。
さらに無断遅刻と無断欠勤の常習犯だったのです。
勤怠に関しては、タイムカードを見れば誰にでも分かることですが、社長がチェックするわけではありません。
社員の勤怠になど、社長は興味もないでしょう。
社長は今でも、息子が無断遅刻無断欠勤の常習犯であることは知らないに違いありません。
上司も、先輩も、誰一人彼には注意しないのです。
それをいいことに、彼は平気で毎朝遅刻するという状態でした。
ほかの人間は、体調不良での欠勤や雪による渋滞での遅刻ですら、どなられるという職場で、彼だけが許されていました。
「社長の息子だから仕方ない」
そんなムードが社内にはただよっていました。
これに関しては、上司たちにも問題があるかとは思いますが、それでも本人がしっかりするべきでしょう。
遅刻や欠勤をするたび、「理不尽だ」と思わざるをえませんでした。
うざい社長の息子の強烈エピソード3.労働意欲がなさすぎて
それでも何年か勤めていれば、きっと彼も責任感が出たり変わったりするだろう。
そんなふうに期待していた人も、少なくありませんでした。
しかし、私たちは甘かったのです。
そもそも彼には労働意欲がなかったのです。
労働意欲がない、ということが判明したのは、休憩時間での雑談中でした。
なにについて話していたときだったかは忘れてしまいました。
しかし彼が言った内容だけは、強烈すぎて今でもしっかり記憶に残っています。
「とりあえず無職よりはマシだから会社にきてる。でも本当は働かなくても困らないから真剣に働く気になれない。
親父が社長だから今まで金に困ったことはないし、働くことの重要性が分からない。どうしてみんな、真剣に働いてるの?」
働く気もない彼が正社員として登用されただけでも納得いかないのに、「働く気がない」とまで言われては返す言葉もありません。
さらに彼は、こうも言いました。
「たいていのことは親に頼めば金でなんとかしてくれるから。そういうものでしょ?」
その場には、そういう考えの人はひとりもいませんでした。
苦労をしてきた人ばかりだったんです。
そのため場の空気がしらけてしまい、そのまま、そのときの雑談は終了しました。
それまで私は、社長に対して悪い印象はありませんでした。
しかし、この彼の発言以降、彼や社長を見るたび、もやもやした気持ちに支配されるようになったのです。
彼にも問題があります。
しかし父親である社長にも大きな問題があるのでは、と思わずにいられませんでした。
「真剣に働く気になれない」という言葉の通り、彼は結局、仕事らしい仕事をしませんでした。
終日携帯をいじり、気が向くとふらりと外出して帰ってきません。
そのうちに「期待するだけ無駄」という流れになったのは言うまでもありません。
まとめ
もちろん、世の中には、勤勉で周囲の気遣いがある「社長の息子」も多く存在することでしょう。
しかし、私が一緒に働いた「社長の息子」は、そういったタイプではありませんでした。
私はその会社を退職しました。
彼が直接の原因ではありませんが、理由のひとつであることは間違いありません。
その後、彼がどうしているかは知りません。
「世襲制でないことだけがせめてもの救い」と思っていますが、「もし彼が会社を継いでしまったら…」と考えると、とても怖い気持ちになってしまいます。