私の身近にいた、裏表のない人のエピソード3つ

裏表

32歳、女性。結婚後は、専業主婦。裏表なく堂々と生きたいとは思うものの、小心者ゆえになかなかそうはいかず。女の世界はとくに、ときには裏の顔も上手に使う必要があります。
裏表を使いわける必要がほとんどなく、子育てに専念できる今の生活が幸せ。

 

 

私の身近にいた、裏表のない人のエピソード1.悪口大会がはじまると席を外す

外す

 

結婚前に勤めていた職場は、同僚の8割が女性という女の園でした。

新しくできたお店やファッション、テレビドラマなど、みんなで盛り上がることができ、楽しい職場だったんです。

 

だけど、問題になったのは、女性の多い職場につきものな人間関係のトラブル。

同僚のなかでも、リーダー的な立場の人が他人の陰口を言うのが好きで、休憩時間になるとその話題でもちきりです。

 

はっきり言って、私もうんざりしていました。

とはいえ私は、彼女に嫌われるのが怖く、なんとなく話を合わせていたんです。

 

だけどある日、同じく同僚のAさんが、リーダーの陰口がはじまると、さりげなくその場からいなくなることに気づきました。

「ちょっとやることあるんだった!先に仕事に戻るね」となど、雰囲気を悪くすることなく席を外すんです。

 

最初は、素直にそれを信じていたんです。

だけど、Aさんが人の悪口には同意しないことにも、そのうちに気がつきました。

 

女子が集まれば、悪口大会になるのは仕方がないものと思い、受け入れていた私。

それに、衝撃を受けたんです。

 

裏表なく人に接することができる人って、本当にいるんだと非常に感動してしまいました。

 

私の身近にいた、裏表のない人のエピソード2.ミスを直接指摘して泣かれる

指摘

 

前述のAさんは、誰に対しても本当に裏表のない人でした。

自分が思ってもいない悪口には決してうなずきませんし、かといってやたらと他人をほめるわけでもありません。

 

自分のありのままの気持ちを基準として、公平に他人と接する人だったんです。

しかしそれが、いつも良い結果を生んでいたわけではありません。

 

誰にでも同じ態度でいたからといって、相手も同じようにAさんと向き合ってくれるわけではなかったんです。

Aさんより、半年ほど遅く職場に入ってきた女性がいました。

 

まだ若い子でしたが、前職も同じ業種だったということで、周りもそれなりの成果を期待していたんです。

ところが、端的に言って彼女は仕事ができない人でした。

 

誰でもできるような、非常に簡単な作業でもミスを連発しますし、お客さんへの態度も悪いです。

おまけに、ミスをしても報告をせず、気づいたときには大きなトラブルに発展していたこともありました。

 

とはいえ、相手は20歳そこそこの女の子。

誰も面と向かっては叱ることができず、どう指導すべきか悩み、彼女には内緒でこっそり対策会議を開いていました。

 

そんなとき、偶然彼女のミスを見つけたAさん。

つかつかと、彼女の元へ歩いて行って「これつくったの、あなただよね?」と一言。

 

そして、つらつらとそれのどこが間違っているのか、どうするべきなのかを厳しく言い放ちました。

今までの経緯についても知っているAさんは、「きちんと自分のミスを認識してください」と、言ったんです。

 

正直、私たちは「よくぞ言ってくれた」とも、思いました。

私たちがはっきりと怒らないのを盾に、彼女もだんだんと調子に乗ってきていたようにも感じていましたから。

 

だけど、彼女の反応は私たちが期待したものではありませんでした。

Aさんの言葉を聞いた瞬間に、号泣。

 

そのまま、仕事が続けられないほどに泣き続け、さらには後日、パワハラを受けたと上司に相談したそうです。

事情を知っている上司は、彼女の言葉を真に受けることはありませんでした。

 

それを聞かされたAさんは、さすがに落ち込んでしまっていました。

Aさんの裏表のない態度は、本当に素晴らしいものです。

 

だけど、相手によっては、それでAさん自身が嫌な思いをすることも多いのではないかと、心配になってしまいました。

 

 

私の身近にいた、裏表のない人のエピソード3.嫌味がないから嫁にも好かれる

姑

 

これは、私の父かたの祖母の話です。

私の実家は、市街地から山をひとつ越えたところにある田舎です。

 

父の実家、つまり祖母の自宅は我が家の2軒どなりでした。

スープの冷めない距離、とはよく言いますが私だったら義実家から徒歩1分の距離に住むのは、絶対に嫌です。

 

義父母は決して嫌な人ではありませんし、私に対して気も使ってくれています。

それでも、近すぎたら息が詰まるように感じます。

 

だけど私の母は、父かたの実家がそれほど近いことに、一度も文句を言ったことはありませんでした。

その理由が、とにかく祖母のことが好きだからだと言うんです。

 

祖母は田舎のばあちゃんらしく、物言いは非常に粗雑です。

初対面の人からしたら、敵意を向けられていると思うくらい、冷たくみえる態度を取る人でした。

 

だけど、祖母の口から放たれる言葉には、嘘も嫌味も一切なかったんです。

嫁姑の争いというと、嫌味の応酬というイメージがあります。

 

しかし、「祖母に限ってそれは絶対にない」と、母は常々言っていました。

もちろん母に対して、注意をすることはあったようですが、それは母が恥をかくことがないようにという優しさからだと。

 

「嫁をいじめるという、ものではない」と言っていました。

しかし、祖母の行動には疑問があります。

 

我が家の花壇に勝手に野菜を植えはじめたり、年末の早朝に母を餅つきに駆り出したり。

今思っても、私なら嫌だと感じることばかりです。

 

だけど母は、「植えた野菜は私の好物で、餅つきは私を近所の人となじませるためなのよ」と、言います。

もし、それが嫁いびりだったのなら、母だって抵抗していたはずです。

 

私は、自分が良いと思ったから、嫁にもやらせるというのは、どうかと思いもします。

だけど、祖母が胃がんで入院してからは、最期まで献身的に面倒を見続けていた母。

 

本当に、ふたりは仲が良かったんだなと感じます。

 

まとめ

裏表のない人というのは、個人的には好きです。

信用できる気がしますし、疑う必要がなくて側にいるのは楽ですよね。

 

ただ、裏表がない人がだからといって、決して生きやすいわけではないんです。