30歳、女性。現在、事務職として大手商社で勤務。18歳で芸能事務所に入るが、目指していたモデルとしてはなかなか売れず、20歳で顔に整形手術をし、モデルとして活躍の場を増やす。22歳でモデルを引退し、一般企業の仕事に就く。趣味は料理と映画鑑賞。
見出し
整形してモデルになって良かったこと
整形してモデルになって良かったこと1.念願だったテレビ出演をはたした
私は幼いころから、ずっと自分の容姿にコンプレックスを持っていました。
とくに、低い鼻と腫れぼったい奥二重まぶたの目元が嫌で、いつか整形したいと考えていました。
モデルになって、テレビに出ることも、幼いころからの夢でした。
「もしかしたら、このままの容姿でもモデルになれるかもしれない」と、芸能事務所のオーディションを受けました。
登録料を支払いながら、仕事がくるのを待つといった事務所だったので、所属するのは簡単でした。
登録をしたのは良かったのですが、モデルとしての仕事のオファーは少なく、顔が映らない仕事が1年に2回のみ。
収入も1年で1万円程度でした。
20歳になったころ、コンプレックスを捨て、現状を変えたいと思いはじめました。
両親からのカンパと、自分が貯めたお小遣いで、鼻を高くし、くっきりした二重まぶたをつくる整形手術をしました。
勇気のいる決断でしたが、手術後、モデルとしての仕事に大きな変化があられました。
整形手術をへて、半年がたったころから、写真モデルとしてのオファーが増えました。
アパレル関係の広告用写真の仕事で、顔もしっかりうつるようなものでした。
念願テレビ出演のオファーもありました。
あるメーカーの下着を着けて、ランウェイを歩くという下着の紹介コーナーのある番組でした。
顔も体もうつるし、顔はアップでうつるものでした。
オンエアを見ると、私の顔もよくうつしてもらえていて、感激しました。
思い切って整形手術をしたことで、夢を叶えることができ、その瞬間はとてもうれしかったものです。
モデルとしての収入は、整形手術を施してからは、1年間で80万円ほどにもなりました。
整形してモデルになって良かったこと2.整形した経験のあるモデル友だちができた
整形手術をして、モデルとして活動をしはじめてから、1年程したころ、自分と同年代のモデル仲間ができはじめました。
整形手術をしていることは、その仲間には秘密にしていましたが。
仲間のほとんどが、10代で整形手術をし、この世界に入ってきたということを本人たちから聞きました。
一重の瞼を二重にするものや、唇をふっくらさせたり、目を大きく見せる手術など、内容はさまざまでした。
多くのモデルの女の子たちが、整形手術をへて今の仕事をしていると知り、驚きました。
「整形をしていることは恥ずかしいこと」と、思っていた私にとっては、カミングアウトできることで安心しました。
カミングアウトすると、モデル仲間たちとも親密になることができ、良い友人関係をきずくことができました。
整形してモデルになって良くなかったこと
整形してモデルになって良くなかったこと1.友人に整形していることを知られた
整形手術をしたことで、容姿が以前より良くなり、テレビ出演もできたのは良かったのです。
そうなると、私をテレビでみる人は当然増えます。
ある日、5年近く連絡を取り合っていなかった、高校時代の女友だちから、SNSで連絡を受けました。
彼女は、私の出演していた番組をみたとのことでした。
それで、私のことを思い出すと同時に、顔が変わったとも思い、驚いて連絡したというのです。
私はその瞬間、「まずい」と思いました。
なぜなら、彼女は高校時代、お喋り好きとして知られていて、すぐに広まってしまうような人だったからです。
彼女は、私に「もしかして整形した?」と、聞いてきました。
私は「してないよ。テレビだからメイクも濃いし」と誤魔化しました。
彼女も、そこでは話をおわりにしました。
あとになって、「卒業アルバムで、私の顔を確認したりしていないだろうか」と疑心暗鬼な気分になり、気が気ではありませんでした。
私は、整形によってモデルにはなれました。
整形前の私を知っている人がいることで、結局はコンプレックスを引きずることになりました。
整形してモデルになって良くなかったこと2.定期的にメンテナンスをする必要が出てきた
テレビや写真のモデルとして仕事をしていると、整形したメンテナンスは必須になりました。
やはり、この仕事をしている以上、顔がかわってしまってはいけないので、当然のことかもしれません。
メンテナンスには、思ったよりお金がかかりました。
1年に1度のペースで、必要なら整形をし直すのですが、すぐにその部分をさらすことができません。
メンテナンスをするたびに、自分の今の容姿はつくられたもので、自然なものではないことを思い出すことになりました。
それにも心が痛みました。
まとめ
私は、整形手術によってモデルとして収入を得ることができました。
夢だったテレビ出演も叶いました。
しかし、テレビや写真に写っている自分を見ると、整形手術によってできていることを思い知らされます。
そのため、コンプレックスから抜け出すことが、できませんでした。
結局、モデルをやめてからなん年かたったあとに、好きな人ができ、その人と結婚しました。
そこで、本当の意味で、コンプレックスを解消できたと思います。
モデルとしての日々は楽しかったです。
でも、自分の本当の姿をわかっている人から、愛されて毎日をすごしており、今のほうが幸せを感じています。