37歳女性。
現在は、所有している薬剤師資格を活用し、ドラッグストアでの調剤担当として勤務。
22歳のときに、当時の同級生と結婚し、翌年には子どもを出産しました。
しかし、元主人との間の生活の不一致などから、26歳のときにはじめての離婚を経験。
以後、仕事と家庭を両立しながら、男の子を育てるシングルマザーとして活動中です。
見出し
5年半交際し、30代で別れたエピソード1.29歳で巡り会った男性との恋
26歳のときに、一度離婚を経験している私にとって、元旦那との間に設けた2人の子どもは、大切な存在。
けれど、まだ20代ということもあり、私自身のなかにも「恋をしたい」という思いがまったくなかったといえば、それは嘘になります。
「自分のすべての環境や事情を受け止めてくれる男性となら、幸せな恋をしたい」と思っていた私。
また、「結婚がしたい」という、憧れ的な思いを抱いていました。
そんな私が、29歳というアラサーの時期に出会ったのが、同じく29歳のある男性です。
当時、私は2人の子どもを抱えながら、シングルマザーとして働く女性で、当時はいろいろな仕事に従事していました。
なかでも、1番長続きしたのが、とある会社の事務員。
仕事自体もさることながら、職場の環境がとても落ち着いていたので、長続きしました。
そんな職場にはいろいろな男性がいて、そのなかの1人が、その29歳の男性だったんです。
私がその職場に勤めはじめたときから、とくに親しく話しかけてきてくれた人で……。
あとから聞いた話、その段階ですでに私のことを、一人の女性として見つめてくれていたのだとか。
私自身は、まったくそんな印象を受けることもなく、「同じ職場の、同年代の先輩社員」という感じで接していたのです。
しかし、やはり寂しさが募っていたからなんでしょうね。
とくに優しく接してくれるその男性に対して、いつしか惹かれている私がいました。
そうなれば、恋愛へと突き進むのに、多くの時間は必要ありません。
ご多分に漏れず、私とその男性は、恋人としてつき合うことになったんです。
5年半交際し、30代で別れたエピソード2.職場に隠れてはじめた、素敵な恋愛の日々
職場恋愛自体は、実は私自身も、何度か経験があったんです。
正直なところ、職場で付き合っていることがバレてしまっていいことなど、一つもありませんよね。
むしろ、やっかみの対象になったり、上司がつっけんどんな対応になってしまったりなど……。
実体験を通じて、いい経験など一切ありませんでした。
なので、彼とは相談したうえで、職場には付き合っていることは、一切秘密にすることに。
そうなると、一気に恋愛が難しくなるのが、職場恋愛。
おまけに、私には当時4歳と2歳になったばかりの、2人の小さな子どもがいます。
仕事が終われば、すぐに保育園に迎えに行って、そのまま育児や家事に勤しまなければなりません。
必然的に、彼と会えるのは、日曜日か週末の数時間という、わずかな時間。
私自身は、その短時間でもまったく問題なかったんです。
ですが、まだ20代の彼にとってみれば、「恋人と数時間しか会えないのは、辛いんじゃないかな?」という思いがありました。
それに、私自身の身勝手な理由で、強制していたつきあい方だったこともあり、ずっと心のなかで、引け目になっていたのも事実。
それでも、彼はいつでも笑顔で、優しく私に接してくれます。
それに、たとえ数時間のデートでも、いろいろな趣向を凝らした感じで、私を楽しませてくれるので、本当に幸せでしたね。
離婚してからも、何人かの男性に、アプローチをいただいたことがあった私。
けれども、きちんとした恋愛をしたのは、実はこれがはじめてだったんです。
ずっと私の心のなかに堪っていた寂しさや辛さ、そして女性としての葛藤があったのでしょうね。
彼と二人きりで会えるときには、本当に子どものように甘えていたことを、今でもすぐに思い出せます。
そんな、素敵な時間は、あっという間に過ぎていきました。
5年半交際し、30代で別れたエピソード3.彼の思いに対して、煮え切らなかった私
おたがいに、29歳という年齢で出会った私たち。
それからも、職場にはナイショの形で、交際は5年半という長期間にわたりました。
私も彼もすでに、30代半ばにさしかかろうかという歳です。
なので、おそらく彼のなかには、私との「結婚」という選択肢が存在していたのかもしれません。
ただ、私自身はどうしても、結婚や再婚という結論に、すぐ気持ちを移すことができずにいました。
結果的に、彼からのさりげないアプローチに対して、いつも気づいていないふりをするように。
彼を傷つけないように、「やんわりと断る」という行動に終始していたんです。
あとあとに振り返ってみると、この行為は「私のずるさの象徴だった」と言ってもいいでしょう。
けれど、元旦那との離婚にいたるまでの経緯で、男性に対する猜疑心や不安を抱いていた私。
そして、結婚することで、男性が恋人時代とは、微妙に変化してしまうということを知っています。
なので、私にとって、結婚という選択肢をすぐに取ることができなかったのも事実。
たとえそれが、5年を超える長期間添い遂げてくれた彼であったとしても。
きっと、すごく臆病になっていたと思います。
そんな私に対して、彼はいつも「急がなくていいから」や「待ってるから無理しないで?」といった、優しい言葉をかけて、なぐさめてくれるばかり。
こういった彼からの優しい行動さえ、当時の私には、彼に対する罪悪感をますます増やしてしまう要素に。
彼の言葉に素直に飛び込めていたら、きっと、もっと幸せだったのかもしれません。
けれど、そんな素直な行動がとれない私だったんです。
そういった経緯があってからでしょうか。
以後、彼のちょっとした行動に対して、ヒステリックなまでに私が反応してしまうように。
言い合いというよりも、一方的に私が彼を責めてしまうことが、徐々に増え出しました。
それもまた、彼に対する罪悪感のあらわれだったのでしょう。
それでも、優しい彼はいつも悪役を買って出てくれて、私のヒステリー的な行動にも、真摯な態度で接してくれるんです。
そんな彼に対して甘えてしまった私は、決して言ってはいけない、禁断の言葉を口走ってしまいました。
それが、大好きだった彼との長期間にもわたる恋に、一気に終止符を打ってしまうことが分かっていたのにも関わらず。
5年半交際し、30代で別れたエピソード4.ついに訪れた、最愛の彼との別れ
いつも優しい表情と言葉、そして行動で接してくれる彼。
そんな彼に対して、私は決して言ってはいけない言葉を、とうとう彼にぶつけてしまいました。
それが、「どうせバツイチで、子どももいる私となんて、本気で結婚する気なんてないんでしょう?」というもの。
これを彼に対してぶつけてしまった瞬間、私のなかでも「あ、終わった」と瞬時に悟ったほどです。
彼は、それでも「ごめん」と、一言だけ漏らしただけでした。
しかし、私の前から姿を消したんです。
そのときの彼の表情は、今でも決して忘れることができません。
最大限の悲しさと切なさをこらえた、その表情を見た途端、「自分がなにをしでかしてしまったのか」を悟りました。
同時に、6年弱という長い恋愛に、とうとう自分で、ピリオドを打ってしまったことを実感しましたね。
幸いだったのは、彼とまだ幸せだったころに、私が別の仕事に転職するため、すでに職場を退職していたこと。
当然、彼はその職場に勤め続けています。
「職場という限られた環境のなかで、彼と同じ空間で過ごす」という、最悪ともよべる状況だけは回避できました。
きっと、その職場に勤め続けていたら、私は職場で、泣いて彼に謝ったかもしれません。
まとめ
「自分がしでかした行動が、どれだけ彼を傷つけてしまったのか」
「自分にとって、幸せだったかもしれない可能性をつぶしてしまったこと」
今では、すべてを後悔として抱えています。
今でも、ときどき彼との幸せな時間を振り返ることがあります。
しかし、それと同時に、「自分はもう、恋愛をする資格がないのかもしれない」、そう感じている毎日です。
「いつか、子どもが独り立ちするようになったころに、まだ恋をしたい思いがあれば、そのときはチャレンジしてみようかな?」
そう密かに思っています。