娘と息子を育てる40代のシングルマザーで、ウェブデザインの仕事をしています。
小さいころ、母親に虐待されて育ちました。
そんな母を反面教師にして、私は子どもたちを愛して、育ててきたつもりです。
しかし、親に愛されて幸せに過ごす娘へ、嫉妬心を抱いていたことがあるのです。
今はだいぶ気持ちも穏やかになり、娘とは週末に女2人だけで、外食やショッピングを楽しむこともあります。
実母とは疎遠です。
見出し
娘に嫉妬してしまったエピソード1.母からの嫌がらせ
母に愛されなかった私。
兄がいましたが、母は兄を溺愛し、私は明らかに差別を受けて育ちました。
たとえば、学校などで必要なものを買ってくれません。
また、先生に渡された保護者の確認やサインが必要なプリントを渡しても、捨てられていたこともあります。
学校生活に支障がでるような、数々の嫌がらせを母から受けてきました。
先生には「いつも忘れ物をしてくる、必要なものをきちんと提出しないダメ生徒」と思われていたことでしょう。
小学校、中学校の通知票も生活面の評価はいつも、「がんばりましょう」に○が付けられていましたね。
母のせいで評価が下がっているのに、母はこう言うのです。
「お前は何年間も向上しないグズ」「発達障害じゃないのか」と。
授業参観に母がきた記憶もありません。
友だちと遊びに行くのを「ダメ」と言われるのもしょっちゅうで、私は友人のいない子どもでした。
たまに、クラスの子がお誕生会などで、声をかけてくれたときでさえもそうです。
母には行くのを禁止されるか、渡すプレゼントを用意してもらえませんので、行くことができませんでした。
本は好きでしたが、買ってもらうことができません。
なので、いつも学校の図書室に入り浸り、「本当に本が好きなんだね」と言われていました。
娘に嫉妬してしまったエピソード2.母親が私をライバル視する
父は出張が多い仕事で、家には一年の半分しかいませんでした。
父は、私が母に嫌がらせを受けていることを詳しく知りません。
父は、兄と平等に接してくれました。
むしろ、女の子だったからか、兄よりも可愛がられていたかもしれません。
父がたまに家にいるときは、夕食時に私を隣に座らせたがるので、私も自然に父には甘えていました。
ですが、そういうときは、母が決まって不機嫌になります。
あとからささいなことでひどく叱られたり、理不尽な用事を言いつけられたりするのです。
父親に愛された分、母に嫉妬されていた私。
思春期になると、女性らしさを否定されるようになりました。
胸が膨らんできても、ブラジャーなどは買ってもらえなかったです。
体育のとき透けてしまったりするのが嫌なので、買ってくれるようお願いしても、「色気づいて嫌らしい」と嫌悪感を出されました。
仕方がないので、自分で包帯をさらしのように胸に巻いて、学校に登校していましたね。
娘に嫉妬してしまったエピソード3.幼児期に感じた違和感
社会人になって、すぐ家から独立し、しばらくして結婚、出産を経験。
私にも、娘と息子が生まれました。
母には愛されなかった私でしたが、自分の娘は生まれたときに、普通に「可愛い」と思えてほっとしました。
しかし娘が2歳のころにイヤイヤ期がはじまり、私のつくるご飯は「いや!」と言って食べなかったり……。
朝服を着替えさせようとしても、「いや!」といちいち言う娘に、疲れはじめてきました。
そして、私にはなんでもかんでも「いや!」と言うのに、旦那(娘の父親)には抱きついたり、甘える仕草をします。
「子どもなのに、男性に媚びる!」と感じて、憎しみが沸いてきて、びっくりしました。
その後も、旦那が娘を可愛がると、自分の心がざわざわとします。
娘のイヤイヤ期が収まった4歳ごろには自然に、私の娘への違和感や不快感が消えていきました。
娘に嫉妬してしまったエピソード4.誰からも愛される娘に嫉妬
娘はのびのびと育ち、誰からも愛される子でした。
顔もそこそこ可愛いですし、性格も好きなもの、嫌いなことをはっきり主張します。
しかし、人に不快感を与えるような感じではなく、自然と周りから頼られて、中心人物となるようなリーダーシップも持っていました。
いつも、娘の周りには人の輪ができます。
そのため、誕生会などに呼ばれたり集まったりして、しょっちゅう楽しい交友関係を経験していました。
私の子どものころの記憶が嫌でもよみがえってきて、よくフラッシュバックするように。
私の送りたかった子ども時代を、当たり前のように過ごす娘に対して、「嫉妬している」とはっきり自覚しました。
当時離婚をしたのですが、「息子は手もとに置きたいけど、娘は旦那に渡してもいい」とさえ、思ってしまったこともあるのです。
娘に嫉妬してしまったエピソード5.母を反面教師にした子育てが苦しい
娘に嫉妬心はありましたが、「私の母と同じことはしない」と、心に決めていた私。
ですので、娘に対して虐待や育児放棄のようなことはしませんでした。
むしろ娘の話を味方になってよく聞き、基本的にしたいことを自由にさせてあげたつもりです。
でも、軽蔑する母を反面教師にした、子育てをすればするほど、苦しくなります。
私が望んだけれど、過ごせなかった子ども時代を送ってる娘。
娘を愛してはいますが、板挟みの感情が湧きあがるのです。
一度だけですが、些細なことでダメ出しをして、約束を反故にしたことがあります。
娘に「テストの成績がよかったら行ってもいいよ」と約束していた、アイドルのコンサートの行くときのことです。
どんなに望んでも母親に行かせてもらえなかった私と違って、娘は行けることが当たり前という感覚に腹が立ったからだと思います。
娘は泣きじゃくりましたが、私は少し気が晴れた感じがしました。
娘に嫉妬してしまったエピソード6.母と同じく、女性らしい娘に嫌悪感
娘が成長して、異性の相手とお付き合いするようになると、「女としての娘」に嫌悪感があるのに気がつきました。
娘がお化粧やメイク、ネイルなどに夢中になったり、女性らしいファッションをすると、生理的に嫌に。
私の母も私の女性らしさに、極端に嫌悪感を抱いていましたが、同じなのかもしれません。
娘は無邪気に「どっちのメイクのほうが可愛いと思う?」とか、私にアドバイスを求めてきます。
そういうとき、娘が華やかに見えるようなものではなく、地味に落ち着いた雰囲気になるものを勧めたりしていました。
しかし、娘もそのうち、私には聞いてこなくなったのです。
まとめ
娘と私の関係は、一応良好です。
娘は無邪気で、性格も容姿も可愛らしい子に成長しました。
私は私の母のようには振る舞いませんでしたが、本心では娘に嫉妬しています。
最初はそのことで、心理的な葛藤もありましたが、今はそんな自分も許せるようになったのです。