うつ病のときにアルバイトをして良かったこと2つ、大変だったこと2つ

うれしそうな男

35歳男性。現在は東京都内のIT企業の経理部門に勤務。栃木県内の公立中学校で、数学担当の教諭を務めていたときに、うつ病を発症。教諭を退職後、うつ病の症状が進行して自ら命を絶とうとする状況にまで陥るが、無職となって1年後に主治医から社会復帰が可能と診断され、複数のアルバイトを経験する。その後はうつ病が寛解して、現在の会社に転職。趣味は、ロードサイクリングと読書と株式投資。

 

 

うつ病のときにアルバイトをして良かったこと2つ

うつ病のときにアルバイトをして良かったこと1.社会復帰へのリハビリとなった

履歴書に記入

 

うつ病にりかんしてから無職となり、神経内科に通院していました。

1年以上が経過したころ、主治医の先生から「そろそろ社会復帰を考えても大丈夫だと思います」と言っていただけました。

ただし「はじめはアルバイトとか、障害者雇用枠で採用してもらうほうがぶなんです。いきなり正社員として働くと、またうつ症状が重くなる可能性があります」と言われました。

 

そこで、まずは探偵業のアルバイトをやってみることにしました。

このときは、まだ自分が精神疾患であることは恥ずかしくて言えませんでしたので、「ただ探偵業の仕事をやってみたい」と話して採用してもらえました。

おそらく、元教諭という経歴が信用されたのだと思います。

 

探偵業のアルバイトは、調査対象者を追跡して歩き続けたり、1ヶ所で立ち続けて監視している仕事ですので、頭を使う必要がありません。

この点で、社会復帰に向けていいリハビリになりました。

 

毎日出勤したわけではありませんが、このアルバイトをして帰宅すると、心地よい疲労感を感じて、「なんとなく自分は社会復帰に向けて、第一歩を歩みだした」と思えるようになりよかったです。

 

うつ病のときにアルバイトをして良かったこと2.簡単な仕事をこなすことによって自信がついた

自信を持っている社会人

 

ほんの数ヶ月間、探偵業のアルバイトをしたあとは、障害者雇用という形で事務職のアルバイトに雇ってもらうことができました。

一般事務で、平日のうち4日間勤務で、10時から16時の勤務でした。

 

はじめは、オフィスの清掃関係の仕事だけを担当しました。

デスクワークの社員の机の脇にゴミ箱がありますので、私はゴミ袋を手に持って、ひとつひとつのゴミ箱からゴミを回収していくのです。

 

教諭をしていたころと比べれば、ありえない単純労働なわけです。

しかし、身体を常に動かしているわけですから、なにかを考える必要はありません。

単純労働をこなすことによって、「自分もまだまだ仕事をこなすことができるのだ」と自信を取り戻すことができてよかったです。

 

アルバイトとして入社して2ヶ月経過すると、私の上司のような立場の社員の方から「もう少し、仕事の幅を広げてみましょうか」と言われました。

15時くらいになると大会議室に行き、翌日の朝実施される全社員向けの朝礼の準備を担当するようになりました。

 

社長用の踏み台をあらかじめセッティングしたり、マイクとスピーカーを用意しました。

私は9時の朝礼には出席していませんでしたが、上司の社員から「ちゃんとセッティングできてたよ」と褒めてもらえると、うれしくなり、ますます自信がついてきました。

 

 

うつ病のときにアルバイトをして大変だったこと2つ

うつ病のときにアルバイトをして大変だったこと1.仕事を頑張りすぎて、うつ症状が再び重くなった

腹痛

 

一般事務のアルバイトを開始して、半年が経過すると、さらに仕事の幅を広げてもらいました。

自分としても扶養家族がいますから、いつまでもアルバイトの身分でいるわけにもいきませんので、「どんどん仕事を与えてもらい、正社員に登用してもらおう」と考えるようになっていたのです。

 

しかし、すべてが順調というわけにはいきません。

会社が本社を移転することになり、私は上司の社員とともに本社移転、という大きなプロジェクトの担当をすることになりました。

 

アルバイトとして入社して、はじめて本格的な仕事をすることになり、自分がこなせるだろうかと不安感も感じました。

でも、それとともに「頑張ってなんとしても本社移転を成功させよう」と思いました。

 

移転先のオフィスについての賃貸借契約といった法務的手続きは正社員の方がやってくれました。

新しいオフィスのレイアウト作成や、インターネット回線の配線などは、私が社内システム担当者や総務部門の担当者と打ち合わせて、作成しました。

さらに、大手の引っ越し業者とも私が打ち合わせたり、オフィスビルの管理人とも引っ越し作業について打ち合わせをするなどして、かなり神経を使いました。

 

私は重大な仕事だと認識し、なんとしても完璧にオフィス移転を実現させようと考えるようになっていました。

そのころです。

再び、うつ症状が強く出てしまったのです。

 

朝、気分が重くなってしまい、起きることができず、会社に遅刻してしまったり、会社を休むことが続くようになってしまいました。

幸い、私が障害者雇用枠でアルバイトとして採用されていることもあり、会社をクビになることはありませんでした。

しかし、オフィス移転の仕事についてはほかの正社員の方に代わってもらうことになり、大変な思いをしました。

 

うつ病のときにアルバイトをして大変だったこと2.職場の正社員との付き合い方が難しかった

会社の付き合い

 

もうひとつ大変だったことは、職場の正社員の方との付き合い方でした。

皆さん、私が元教諭という経歴で、うつ病を患っている障害者ということを知っています。

ですから、仕事上の会話はしてくれますが、それ以上には私と関わろうとはしてくれません。

 

私からも、あまり積極的には雑談をしようとはしませんでした。

「社員の方たちも嫌がるだろう」と思ったからです。

このため悲しいことですが、昼食時は妻が作ってくれた弁当をひとりで食べていましたし、会社の人から居酒屋に誘われたことは一度もありませんでした。

 

まとめ

現在は、国の方針で、企業に対して100名の正社員に対して1名程度の障害者雇用が義務付けられています。

したがって、一度うつ病にりかんして、無職におちいったからといって将来を悲観することはありません。

障害者雇用枠がありますから、アルバイトの形でも社会復帰の道は用意されているのです。