32歳男性。自営業。
いつしか「娘が嫌い」「一緒にいたくない」と感じるようになり、それを理由に別居生活をはじめます。
別居するまでは、大手飲食チェーンで役職をもらって働いていたが、別居を機に転職しました。
現在は、悠々自適な一人の時間を満喫中。
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娘を本気で嫌いになったエピソード1.「子どもが欲しい」と、思っていなかった
私が結婚をしたきっかけは、いわゆる「できちゃった婚(授かり婚)」でした。
当時、私は20歳、彼女が23歳という年齢です。
おたがいに仕事をしていたので、「生活力がない」という訳ではありませんでした。
とはいえ、「まだ遊びたい」「自由にいられる環境を維持したい」という気持ちがあった私。
「本当にこの子と結婚していいのだろうか」
そう思っていたことが影響し、「子どもができた」と言われたときには、軽い絶望を感じたことを今でも覚えています。
妊娠したことを告げられたとき、私は迷うことなく、「おろせないのか」と聞きました。
なぜなら、「まだ結婚など、具体的な着地点を想定するには早い」と感じていて、将来を決める決定打がなかったからです。
それに加え、「自分たちが、まともな親になれる訳もない(まだ早すぎる)」という思いがありました。
なので、真っ先に「子どもをおろして、リセットしたい」という希望が、口から出たのです。
この時点で、子どもに対して、まったく愛情を抱くことができない自分に気づきました。
娘を本気で嫌いになったエピソード2.生まれてからも、それは変わらなった
「最初は、子どもを『かわいい』と思えなかった親でも、生まれてくれば変わる」
世間では、そういった趣旨の話をよく聞きます。
子どもを産むことになれば当然、結婚をすることになりますね。
そこで、私はおたがいの両親や親戚に対して、「嫌々」挨拶周りをしました。
本心では、「結婚したい」と思ってはいません。
ですが、なんとなく「責任をとらなければいけない」という思いで、結婚することを決めたのです。
そして、結婚から1年と経たずに、子どもが誕生。
自然分娩ではなく、帝王切開だったので、あらかじめ想定していた時間通りに、出産となりました。
決して早い時間という訳ではなく、本来ならば十分に余裕をもって、病院で待つこともできたのです。
ですが、私が病院に着いたのは、手術がはじまってからでした。
「行かなきゃいけない。行くべきだ」ということは、理解できていましたが……。
どうしても、積極的になれなかったのです。
結局、手術室に着いたころには、すべて終わっていた状態。
おたがいの両親が、妻と娘を見ながら、なにやら話をしていました。
生まれた子どもをはじめてみたとき、私は後悔したのです。
「ついに、生まれてしまった」と。
娘を本気で嫌いになったエピソード3.泣き声が苦痛に感じるようになった
そのころ、私は仕事で昇進をして、忙しい時期でした。
子どもが生まれたばかりということもあって、まわりも気をつかってくれます。
会社では、「早く帰っていいよ」「代わりにやってあげる」という言葉をかけてもらえるように。
しかし、私は「余計なお世話」と思いましたね。
なぜなら、私は「できれば家に帰りたくない」と思っていたからです。
「家に帰れば、嫁がいて子どもがいる」
傍から見れば、幸せで微笑ましい家庭かもしれません。
ですが、私にとっては、まったく違っていたのです。
とはいえ、仕事に行き、家にいる時間を減らせばいいだけなので、私は次第に、家に帰らないような生活をするように。
ときには、駐車場に停めた車のなかで、寝たこともありました。
ただ、どうしても家に帰らなければいけない状況は、当たり前に訪れます。
家に帰ると、子どもが泣き声をあげ、妻はその相手にてんてこ舞いでした。
私も「なんとか、子どもを可愛がることができるように」と、近づいてみますが……。
私が抱っこすれば、すぐに泣いてしまう始末。
私は、「あー、俺は嫌われているんだな」と思いましたね。
娘を本気で嫌いになったエピソード4.2歳、まったく懐いてくれない
子どもが生まれてから2年が経ち、ある程度落ち着いた生活になってきました。
この間、とくに育児をサポートすることもなく、子どもへの愛情も感じずに生活していた私。
自分が思い描いていた将来と、まったく違った環境を生きていることが、我慢できなくなってきたのです。
ちょうどこのころ、子どもが私にまったく懐くことがない環境に対して、嫌気がさしました。
「子どもと一緒にいたくない」
そう痛切に感じるようになっていったのです。
それから半年、もう少しで結婚記念日(とくに、感慨深いものではなかったですが……)というころのこと。
私は妻に、「離婚したい」と言いました。
妻は「なぜ?」と聞きてきたので、私は「一緒にいたくない」と返します。
何度かやり取りをしましたが、妻は離婚を承諾してくれませんでした。
そこで、私は一人で家を出ることに。
不動産業者を回っているときには、「これで、子どもと一緒にいなくても済む」と、ワクワクしていました。
そうやって、部屋を決め、引っ越しの準備を進めていたときのこと。
子どもが、私のところに寄ってきたのです。
愛らしくパパに寄り添う子ども、思わず口角があがってしまいそうな状況でした。
ですが、無言で抱きかかえて、妻に預ける私。
このときにはすでに、子供が側にいることすら、苦痛に感じるようになっていたのでしょうね。
まとめ
結局のところ、「私がいつどのような理由で、子どものことを嫌いになったのか」という具体的なことは、なに一つ実感できませんでした。
ただ、「気づいたときには、嫌いになっていた」ことで、私は離れることを決断したのです。