35歳、女性、専業主婦。5学年年下の弟は、現在30歳で彼女との結婚が決まり、充実した日々を送っています。
子どものころから成績優秀で、敷かれたレールの上を歩んできたタイプでしたが、就職でつまづき、ニート生活をへて、社会復帰をして現在にいたります。
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ニートの弟を更生させたエピソード1.弟がニートになるまで
私の弟は、有名国立大学に一浪して入り、大学生活はそれなりに順調に見えていました。
しかし、3回生の後半になり、就職活動で3社に落ちた時点で、すごく自信をなくし大学にも行かなくなりました。
最初は「授業が休校になった」などと嘘をついて休んでいたようです。
あまりにもそういったことが続き、家族は「おかしいな」と、思いはじめました。
弟は、もともと気弱なタイプで、自分の意見を持つということに欠けているように、思えていました。
ただ、自分の頭が良いということには、自信を持っていたと思います。
就職活動をする際にも、「俺は大学がブランドだからすぐに決まる」と、豪語していました。
確かに、名前を出したら誰もが「賢い」と驚くような大学で、日本で3本の指に入るぐらい難関大学です。
でも、就職活動はそんなに甘くないだろうと思いました。
そして、弟はアピールできるようなことを、学生時代にしてこなかったので心配ではありました。
まさに、それが現実になったという感じです。
ニートの弟を更生させたエピソード2.弟のニート中の生活
弟は、就職活動で失敗してから自信をなくし、自分の部屋にいる時間が長くなりました。
家族との会話は、食事前後だけで、すぐに二階の自室に引きこもっているというような状態でした。
もちろんですが、大学を卒業できません。
留年を2回続けても卒業できなかったことで、大学を中退すると言ってきました。
せっかく入ったので、なんとか卒業と思いましたが、大学のブランドが負担になっているようにも思えました。
心療内科にも通っていましたが、良くならずに、心を病んでいるという感じで、痛々しかったです。
結局は、弟のことを考えて、退学させることとなりました。
中退して数年家にいたのですが、それがきっかけで、吹っ切れた部分も出てきたように思います。
母親とも腹を割って話すようになり、少しづつ気持ちが回復していきました。
ニートの弟を更生させたエピソード3更生を考えたきっかけ
弟が中退したあと、ニート生活を2年続けていて、母親はなにも口出しせずに心配をしていました。
父親は亡くなっていますが、自宅には経済力があったので、生活には問題はありませんでした。
ただ、私は、「このままではいけない」という気持ちが、強くなってきたんです。
私も心療内科に通い、内服をしながら働いてきたんです。
そういった状態でも仕事はできる、行動を起こさずに、先を考えているだけではまずいと思いました。
そんなときに、近所の親戚に弟のことを話すと、伯父が経営をしている福祉施設で働くことを提案されたのです。
週2回のアルバイトでいいとのことで、弟を説得することにしました。
ニートの弟を更生させたエピソード4.更生していった弟
施設でのアルバイトを弟に話すと、家にいる生活が続いていたので、不安を感じているようでした。
でも、「このままの状態でいても仕方がない、前に進めないといけない」ということを、話しました。
弟は、伯父の施設でアルバイトをする決意を、固めてくれてたのです。
アルバイトに通いはじめてからは、社会のなかで自分の居場所を見つけたようでした。
買い物に行くなど、外に出て行けるようになったんです。
また、身なりを整えるようにもなりましたし、正社員になりたいという思いも、抱くようになりました。
施設でのアルバイトを半年させてもらい、だんだん日数を増やしていき、週4回程度で働けるようになりました。
そこで、本格的に就職活動を行うことになったのです。
心配をしましたが、今度はなん度落ちても、ハローワークに通い会社を探していました。
そして、大学中退をした経緯も理解してくれる会社に出会い、20代後半でやっと新入社員として入社しました。
ニートの弟を更生させたエピソード5.更生したその後
弟が入社した会社は、シフトがハードでしたが、一生懸命に頑張っていました。
正社員になってからは、それまで飲んでいた安定剤などもやめました。
それでも、続けることができたのです。
私は、結婚をして離れた場所から見守っていました。
最初は、不安そうな様子もありましたが、会うたびに顔が輝くようになってきたように思いました。
仕事に対しても意欲を持ってきましたし、恋人もでき、暗闇のなかにいた時期を抜け出したようです。
今は、就職して3年が経過しましたが、休まずに通えていますし、彼女との結婚が決まりました。
まとめ
ニートの問題は、以前から聞いていましたが、身近にいる弟がニートになるとは思いませんでした。
そのままずるずるニートにならずに、就職するきっかけがつかめて、良かったと思います。