32歳、女性。結婚後は専業主婦。
母は4人きょうだいの末っ子のため、伯父伯母にはなにかと、かまわれていた。親戚は嫌いではないが、田舎的な思考回路は苦手。今は、親戚づきあいの少ない夫と結婚できて「ラッキー」と思っている。趣味は、今もかわらず本を読むこと。
親戚集まりが苦手になった話1.なにかとかまわれる
私は小さいころから、人がたくさん集まることが、好きではありません。
自分のことを話さないと、いけなくなるからです。
父方はまだしも、母方の親戚が集まると20人ほどの大所帯になります。
年の近いイトコもいましたが、気が合わなかったのか、あまり親しく遊んだ記憶はありません。
5つくらい年上のお姉ちゃんが、唯一の遊び相手でした。
でも、お姉ちゃんは遠方に住んでいて、いつも来れるわけではなかったんです。
祖父母は、なにかと話しかけてくれましたが、子どもにとって、年寄りの話なんてつまらないですよね。
なので、親戚の集まりに行くときは、いつも小説をカバンへ入れていました。
食事がおわって、周りが落ち着いたら、部屋のすみで本を読んでいたんです。
親戚にアレコレ言われるよりは、そのほうが楽でした。
そもそも、私は会話をするより読書をしているほうが好きだったんです。
だけど、そうやって静かにしている私に、叔父たちはいちいちかまって来ます。
私は、それが嫌で、嫌でたまりませんでした。
本の世界に入りこみたい。
小学生の子どもがそうしていたら、今の私だって、きっとかまいに行ってしまうと思います。
だけど当時は、「私のことは放っておいてほしい」という気持ちが強く、親戚の集まりは苦手な行事だったんです。
親戚集まりが苦手になった話2.伯父がセクハラまがい
親戚の集まりに対して、さらに苦手意識が高まっていったのは、思春期に入ったころからでした。
母の兄である伯父が、すごく苦手になっていったんです。
幼いころは、冗談ばかり言っている、おもしろいおじさんでした。
だけど、中学生になり伯父さんの太った、痩せたなんて話が嫌でたまらなくなってしまいました。
「おお、太ったな!」と、お尻を叩かれるのに、すごい嫌悪感を感じるようになったんです。
おじさんとしては、おそらく、いやらしい気持ちはなかったんでしょう。
もしかしたら、姪っ子の成長を喜んでいただけなのかも。
だけど、久しぶりに会った、伯父のにやけた顔を見るだけで本当に嫌だったんです。
勉強や部活が忙しいことを理由に、親戚の集まりを避けるようになりました。
親戚集まりが苦手になった話3.女だけが働かされる
伯父の言動については、大人になるにつれて、気にならなくなっていきました。
それくらいの年代の男性には、無神経な言葉を投げかけてくる人が、山ほどいるということがわかったからです。
だんだんと、セクハラに対抗できる自信がついたこと。
大人として対等な立場で、話をすると「伯父は根はいい人なのだ」ということも、わかるようになりました。
だけど、大人になったからこそ、親戚の集まりの嫌な部分にも気づいたんです。
それは、盆や年末でバタバタしているとき。
せかせかと動いているのは女性陣だけで、男性陣はいつも座って飲んだくれているだけです。
みんなで食卓を囲んでいるのに、働くのは女だけ。
私の男兄弟や、イトコの男の子たちも絶対に手伝うことはないのに、私たちが座っていると怒られます。
九州のど田舎の話なので、昔ながらの風習が残っていると言われたら、それまでかもしれません。
だけど私は、大学から地元を出て、そこそこの都会で働いていたんです。
親戚たちの考えかたが、理不尽に思えて仕方がありませんでした。
母も伯母も、お酒は飲まないのにどうしてビールを買ってきて、つまみをつくらないといけないのでしょう。
男性陣が飲みつぶれて寝ている間に、どうして女だけが帰宅時間を気にしながら、食器を洗って掃除をしないといけないんでしょう。
私はお酒が好きなので、せっかくみんなで集まるのなら、みんなで準備や片づけをして、気持ちよく帰れば良いのにと思います。
だけど、それを口にすれば、また怒られるでしょう。
女だからと、自分の考えを主張することは許されないんです。
その理不尽さは、どうしても納得できないので、親戚の集まりは今でも苦手です。
まとめ
親戚の集まりというのは、大人でも子どもでも、なかなかわずらわしいものです。
血縁だからこそ、なにかと口うるさく言われることは、わかっているのです。
今でも、親戚と会うのは好きではありません。
自分が親世代になれば、なにか変わるのだろうかと思いつつ、今年も帰省しない理由探しをしています。