27歳女性。CM制作会社で秘書として勤務。幼稚園のころからアトピーに苦しむ。食べ物や温帯蕁麻疹も発祥。
しかし、様々な薬や食べ物を試し、その効果もあり、現在ではほとんど症状が出ないまでに克服。
肌も、アトピーの跡がなく健康である。
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アトピーの私が恋愛を実らせたエピソード1.幼いころからのアトピーの症状
私は幼稚園のころからアトピーの症状があらわれはじめ、いつも「かゆい。かゆい」と言って、体中をかきむしっていました。
お母さんに、「やめなさい」と注意されて我慢しようとしても、かゆさは治まることなく襲ってきて、いつもかきたい衝動をこらえるのに必死でしたね。
夜寝ているときが一番ひどくて、かきむしるのを我慢したくても、無意識に身体中をかきむしってしまいます。
そんな私は、体中がかきむしったあとで赤くなり、カサカサで、血が出てかさぶたもできて、見るからにかわいそうな肌をしていました。
自分でも醜い身体を分かっていながら、かゆさに負けてしまい、繰り返してしまいます。
そんな私は、クラスの子から、「アトピーがうつる」とからかわれたこともありました。
そして、そのとき同時に、周りの子と比べて私の体は醜く、人から嫌がられているのだと自覚したのです。
成長するにつれて、症状は徐々にましになってきました。
中学に入るころには、ほとんどかゆさもなくなり、一見アトピーであることも分からないくらいにまで良くなりました。
しかし、完全に治ったわけでなく、間接部分やしわになる部分のところはかゆさがまだ残り、荒れていましたね。
そして、とくに冬の時期は、乾燥のためにかゆさが増します。
一番人目につきやすい部分である手は、アカギレのように皮膚が裂けていいて、よく周りの友人からは、「大丈夫? 痛くない?」と、心配されていました。
アトピーの私が恋愛を実らせたエピソード2.中学での恋愛
中学生となると、周りではどんどんと付き合う子たちが出はじめており、学校の門の前で待ち合わせをして、一緒に仲良く手をつないで下校するカップルが目に付きはじめました。
そんな様子を見て、「私もあんな風になりたい」と思うと同時に、男の子と手をつなぐことの恐怖も感じていましたね。
自分の荒れた手を見て、「こんな醜い手を見られたら、好きな男の子にも嫌われてよくしまう」と、思ったのです。
ましてや、触れられることなんて、想像もできませんでしたね。
そのとき私には、同じクラスに好きな男の子がおり、普段からよく話す仲で、一緒に時間を過ごすうちに、徐々に引かれていきました。
しかし、いつも自分の肌は見られないように気をつける生活を送っていたのです。
なるべく袖の長いものを着るようにしたり、手を使うときに手の甲ではなく手のひらが見えるようにしたりと、いつも手の荒れた部分を見られないように注意を払いながら接していました。
このまま嫌われることなく、会話を楽しめる良い関係を保ちたいとも思っていましたが、好きな気持ちは、知らず知らずのうちに大きくなってしまったようです。
「もっと彼に近づきたい。でも、嫌われるのが怖い」そんな風に思っていましたね。
しかし、休み時間に一緒に遊んだり、休日になん人かのグループで出かけたりと、このまま良い友人のままでいることに、辛くもなってきました。
そこで、バレンタインデーにチョコを渡すことを決意したのです。
アトピーの私が恋愛を実らせたエピソード3.バレンタインとアトピー
1ヶ月前から、「なにをつくるか、どんなラッピングにしようか」と迷い、やっとの思いでつくったチョコレートのお菓子です。
当日、ドキドキしながら彼が一人で下校するところを見計らい、思い切って声をかけました。
「バレンタインのチョコレート」と、少し照れながら彼に手渡し。
彼は、少し驚いたようでしたが、嬉しそうに「ありがとう」と言って、受け取ってくれました。
しかし、そのとき、思いがけない言葉も彼から発せられたのです。
「手? どうしたの?」
チョコを渡すことに夢中だった私は、手を見られないようにと普段つけている手袋を今日に限って着け忘れてしまったようでした。
彼に手を見られてしまったことへのショックと戸惑いで、私は言葉を失ってしまい、すぐに手を引っ込めたものの、もう遅かったようです。
彼が優しく、「痛くないの?」と尋ねました。
「痛くないよ。実は、私アトピーだから、肌がきれいじゃないんだ」と、頭が少し真っ白になりながらも返答。
もう私の恋は終わってしまったと思いながらも、そんな動揺が彼に伝わらないように、なるべく明るく振舞いました。
しかし、彼は、振舞ではなく、ごく自然な態度で、「そうなんだ」と、受け入れてくれたのです。
アトピーの私が恋愛を実らせたエピソード4.その後付き合いに発展!
そのあと、私たちは付き合うことになったのですが、アトピーのことを気にしていたのは、私だけだったようです。
はじめて手を繋いで下校するときは、とても緊張しました。
大抵の男の子は、肌がツルツルできれいな手の女の子が好きだと知っていたからです。
ですので、カサカサな私の手に触れられることに、妙に臆病になっていました。
しかし、彼は嬉しそうに私の手を握ってくれます。
そんな彼の手は温かく、優しく、ときに力強く、私に愛を感じさせてくれます。
そんなとき、肌のきれいさなど、気にすることはないのだと思わせてもくれました。
アトピーの自分に自信をなくし、恋に臆病になってしまっていたのは、自分の問題であったと気づくのです。
今では、彼と手を繋げる時間が、幸せな時間。手を繋ぐことの行為は、今でも私たち二人の愛の象徴となっています。
まとめ
アトピーによるコンプレックスを感じてはいませんか?
隠すことを必要とせず、中身を見てくれて、すべてを受け入れてくれる男性と恋愛を楽しみたいものです。
そのためには、まず自分自身が、アトピーを恥じることなくその事実を受け入れるべきではないでしょうか。