31歳の既婚者です。現在専業主婦をしながら子育てをしております。
今でもあのときのいじめを思い出すことはありますが、主人や娘が私の心の支えです。
今は娘が私と同じような被害を受けることがないよう、もしいじめを受けたとしてもあの日の母のように寄り添えるように、しっかりと見守り続けていきたいです。
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いじめを克服するまでのエピソード1.いじめを受けたきっかけ
私は中学時代の3年間、いじめにあっていました。それはクラスのなかで起きたことではありません。
部活内での話です。
きっかけは、学年一イケメンと呼ばれる同級生とつき合ったことが原因でした。
彼も私も吹奏楽部に入っていて、彼は部内でも女子人気がすごかったのです。
彼は、同年代はもちろん、先輩や後輩、他校の女の子にラブレターをもらうこともあったそう。
私はあまり噂に興味がなかったため、彼の存在自体、最初は知りませんでした。
中学に入学してすぐは、彼の姿を見にきたほかのクラスの女子たちで、廊下が溢れかえったこともあったみたいです。
彼を好きな女子のうちのひとりに、いじめっこのA子がいました。
A子はクラスでは非常に目立つ存在で、リーダー気質。
持ち前の気の強さと声の大きさから、一クラスを牛耳るくらいの権力を持っていました。
彼とつき合いだした私は、それから生活が一変。
よりによって、あのいじめっこのA子に目をつけられてしまったのです。
いじめを克服するまでのエピソード2.いじめに耐える日々
A子は先輩から後輩まで、いろんな人を巻き込んで、私に嫌がらせをしてきました。
先輩に宛てた手紙を廊下に貼り出されたり、大声で聞こえるように私の悪口を言ったり。
10人以上の女子に囲まれ、「キモイ」や「ウザイ」と罵声を浴びせられたこともあります。
暴力までは振るわれませんでしたが、私の精神はだんだんと崩壊。
彼はそんな私に関わりたくないのか、助けてくれることはありませんでした。
きっと女子からの反感を買いたくなかったのでしょう。
彼はみんなから愛されていることを、とても喜んでいました。
A子からかなりの嫉妬を受けている私を見て、内心、ほくそ笑んでいたのだと思います。
私はすぐに彼とは別れましたが、いじめが止むことはありませんでした。
いじめを克服するまでのエピソード3.フラッシュバック
中学時代の重く苦い記憶を抱えたまま、私は高校を卒業して晴れて社会人になりました。
無事就職先も決まり、ちょうど仕事に慣れてきて半年が経ったころです。
些細なことがきっかけで、よく昔を思い出すようになりました。
ちょっとした瞬間に、ふっと当時の記憶が鮮明によみがえるんですよね。
急に、足元がガラガラと音を立てて崩れていく感じがしました。
それからは悪夢に悩まされ、当時の映像がなんども目に浮かび、せっかく決まった仕事も続けていくことができずに、辞めてしまったのです。
それからの二年間は、まったく動けませんでした。
急に昔を思い出して、そのたびに発狂してしまうので、新しい就職先を見つけることも困難。
私の心のダメージは、成人まぎわになって、時間差でやってきました。
よくよく思い返してみれば、そのときの私の年齢は19歳。
女の厄年だったのです。
いじめを克服するまでのエピソード4.克服に至ったきっかけ
長い長い我慢の日々を過ごし、私はなんとか社会復帰を果たしました。
ある程度、発作が起きたときの対処法を見つけることはできたものの、どれも気休め程度で、精神科の薬頼りでしかありません。
薬を飲むと、頭がぼーっとしますが、気分は落ち着きます。
ただ、生きている心地はずっとしなかったです。
仕事に行けばなんとかなるけど、家ではいつも無気力でした。
そんなある日、母が私に本をプレゼントしてくれたのです。
それは、片付けについての本でした。
私は本が好きなので、もらったその日にすべて読み終えました。
具体的な収納の仕方、モノとお別れをするという捉え方、人生が変わるという、うたい文句も、どれも私には目から鱗でしたね。
それからすぐ、私の大掃除がはじまりました。今思えばあれは、心の大掃除でもあったのです。
過去とお別れすることで、新しいモノを大事にしていく。
部屋がスッキリと片付いていくさまを見るのは、本当に心が踊りました。
目に見える変化は、自分の心を軽くしてくれます。
あんなに辛かったフラッシュバックは、もうめったに起きなくなっていきました。
いじめを克服するまでのエピソード5.たび重なる苦難を経て
結婚して子育てをしている今、もうフラッシュバックに悩まされることは、ほとんどなくなりました。
部屋を片付けてから、嘘みたいに人生がトントン拍子に進み、職替えをしてなんとすぐに恋人ができたのです。
一ヶ月後には同棲をはじめ、その後、半年で子どもができて結婚。
目まぐるしい世界の変化に、私はまるで、今までの苦労がすべて報われたような心持ちでした。
妊娠してからは精神科の薬もやめ、今では薬なしでの生活を送れています。
たいへんだったけど、辛かったけど、もしかしたら自分には、必要な試練だったのかもしれません。
苦難を乗り越えることで、私は同じような体験をされた方に、寄り添えるようになりましたし、人の痛みが、わかるようになりました。
「いじめを受けて良かった」とはさすがに言えませんが、今だからこそ気づけることもたくさんあります。
なによりあのとき、立ち直るきっかけをくれた母に、今ではとても、感謝してもしきれません。
まとめ
いじめはその人の人生を奪い、いじめを受けていた人は、大人になってからもフラッシュバックに悩まされます。
いじめっこたちは平然とこの世界を生きているのだと思ったら、悔しくて命を手放したくなるときもありました。
それでも私は今、幸せです。
「あのとき、死ななくて良かった」と思える日が、いじめを受けた方全員に訪れることを、切に願っています。