27歳女性。自営業。
面倒見のよい性格がたたってか、なぜかバンドマンなどの甘え上手な男性とばかりつき合ってる苦労性。
ジャズ音楽が好きで、来日するジャズアーティストの情報は必ずチェックするほど。
重度の花粉症なので、春の訪れが少し憂鬱。
見出し
バンドマンの彼氏とのエピソード1.バンドマンの彼との出会い
私がバンドマンの彼とつき合っていたのは、二十歳もそこそこの恋多き年齢のとき。
元々顔見知りであった私たちは飲み会の席で数年ぶりに再開し、彼はすでにメジャーデビューをしたバンドから脱退していたそうです。
知名度のあるバンドからの脱退には、それなりの理由があったらしく、かなり積もる話となりました。
それを朝まで聞いているうちに、彼の音楽や自分の将来・夢に対する考え方が、とてもしっかりとしていて美学を持っていることが分かり、彼の人間性に興味を持ったのです。
もしかしたらかなりきょせいを張って格好つけていたのかもしれません。
しかしそれでも、当時の私にとっては「音楽で食べている」ということが本当にスターのようなできごとのように感じたのです。
バンドマンの彼氏とのエピソード2.演奏している姿にドキドキして恋が芽生える
彼に誘われて、当時彼がやっていたバンドのライブを見に行きました。
それまでバンドのライブはほとんど見に行ったことがなかった私。
普段はニコニコ優しそうな彼が、とても真剣に汗を流しながら演奏している姿を見て、そのギャップに胸を射抜かれました。
元々男性のギャップに弱い私は、男性が急に男らしくなる瞬間にときめいてしまいます。
誰かを見て「息を呑むほどカッコイイ」と思ったのはそれがはじめて。
彼とはなんどか会ったことがあるのにその瞬間、「一目惚れをしてしまった」と感じました。
そのあとしばらくしてから、あらためて食事に誘って交際を申し込んだのです。
彼も意識してくれていたみたいで、すんなりとカップルに発展。
バンドマン特有のルーズさはありましたが、荷物を持ってくれたり食事を奢ってくれたりと基本的なホスピタリティーは持っている人でしたので、当時は安心して好きになれたのもありました。
バンドマンの彼氏とのエピソード3.バンドマンの彼氏ならではの体験
バンドマンである彼とつき合っていると、普通の社会人の男性とのおつき合いでは、体験できないようなこともありました。
有名なアーティストさんのコンサートを無料で見ることができたり、たまにはご本人のいるお酒の席にお呼ばれすることも。
いくらメジャーデビュー済みとは言っても彼はまだ業界内では弱かったので、彼女である私も先輩のバンドマンの皆さまにお酌を注いで回ったりもしました。
面倒だとは感じず、それ以上にあまりできない経験に新鮮さを感じていましたね。
同時に、年齢がいくつになってもバンドマン業界は、年功序列が厳しい世界なのだとも知りました。
彼はドラマーだったのでドラムセットの組み方やケアの仕方を教えてもらい、ツアー先などについていって専属のローディーとしての仕事も経験。
彼からしても誰かを雇う必要もなく、私もすべてが新鮮で楽しかったので、それを通じてもおたがい信頼関係が芽生えていくのが嬉しかったです。
もちろんお仕事として成立するほど、適応力を身に付けなくてはならなかったので、最初のほうは「遊びのつもりだったら帰っていいからね」と厳しい言葉を言われたこともあります。
ですがそれ以上に「彼と一緒にいたい」、「彼のフォローを1番近いところでやりたい」という気持ちが強かったです。
日々叱られながらも努力すること、でたまに彼から合格点をもらえるように。
それで自分に対する自信もついてきて、台湾やタイなどの彼とつき合っていなければ、行かないような場所までツアーで行くことができました。
もともと出不精であった私は、バンドマンの彼とつき合ったことで積極的に外に出るような性格になったと思います。
バンドマンの彼氏とのエピソード4.ドラマのような台詞が好きな彼
とにかくロマンティックなデートが大好きだったバンドマンの彼。
2人とも対してお金は持っていなかったのですが、おたがいの誕生日などの特別な日は頑張ってお祝いしていました。
芸能人ご用達のお店や美しい夜景などのデートで、若かった私も浮き足立ってときめいていましたね。
ある日彼の大きな仕事のギャラが入ったときに、六本木の高層ビルにあるバーで2人で乾杯をしました。
目の前に広がる夜景は星空のように美しく、息を呑むような光景。
彼がそれを見ながら「いつかお前にもっと綺麗な景色見せてやるからな」と言いました。
今思い出すだけで赤面するような歯の浮く台詞ですが、当時夢を掴みかけていた彼は私から見ると、とてもキラキラしていて説得力がありました。
バンドマンはいつまでも夢を追い求める生き物。
凡人から見るとその姿はうらやましくもあり、「自分と違う生き方をしている彼についていけば、自分の知らない世界がきっともっとたくさん知れる!」と胸を躍らせたものです。
バンドマンの彼氏とのエピソード5.別れ際までロマンティック
そんな彼と別れてしまった理由は、彼の酒癖の悪さ。
アルコールをとると、すぐに記憶が飛んでしまっていた彼は、私に対してひどい暴力をふるいました。
そのたびに周りに相談するのですが、彼は外面がかなり良かったので「あいつもストレス溜まってるんだな~」と笑い話にされてしまう始末。
「もう限界!」と思ってこちらから別れ話をしてふったのですが、さすがはロマンチストのバンドマン、振られたあともドラマティックな行動でした。
なんと片道2時間かかる私の家まで、タキシード姿でバラの花束を持ってきたのです。
そのころにはもう気持ちも冷めてしまっていた私は、正直恥ずかしくて見ていられませんでした。
床に土下座して「やり直してくれ!」と叫ぶ彼に「どうしたら帰ってもらえるんだろう」とオロオロ。
そのときはなんとか引き返してもらいましたが、今となっては笑い話にほかなりません。
人間、本当に感情が冷めると、なにをされても心が動かないということを自分の身を持って体験しました。
まとめ
つき合ってはいけない「3B」に含まれるバンドマン。
だらしなくてルーズな印象が強いかもしれませんが、見ている限り決してそんな人ばかりではないと思います。
夢に向かって頑張る彼らだからこその魅力はたくさんあります。
ただし、女性関係と酒癖には要注意です。